先手を打っても先走らず

「おはようございます」は先手を打った方が勝ちです。人から言われてするようではダメです。先手のあいさつのできる人は、前向きで人より前に出ることができる人です。先手のあいさつができるようになると人生は変わってきます。

 

で は先手についてさらにお話していきましょう。体調不良で来院したわんちゃんがいたら、そのわんちゃんの診断は診察台にあがる前から始まっています。わん ちゃんの中には怖がっておしっこを漏らすわんちゃんがいますが、その際のおしっこは優良な診断情報と言えます。ですが、看護師の中には気を利かせたつもり でサッと拭いてしまう人がいます。目やにや鼻水もキレイにして診察台に上げて来る人もいます。綺麗にされた経過を知らない私は、病気の手掛かりを無くして 診断の精密さを欠くことになるのです。動物看護師はそういった情報が重要だと踏まえた上で先手を打つことは大切ですが、先走りになっては意味がありませ ん。

 

また、診察前の待合室での飼い主さんと看護師との世間話も大切な情報です。

 

例 えば下痢気味で受診に来られた飼い主さんがいたとします。飼い主さんが何気なく「最近、嫁が来ていて慌ただしくなったのですよ。」などと世間話をしてきた 場合、看護師は「わんちゃんは環境がかわったから体調を悪くしたのではないか」と察することができる人であって欲しいものです。その情報を獣医師に伝えれ ば、獣医師の診断のレベルは格段に上がります。獣医師に対して飼い主さんは世間話をあまりしません。診断に関係がないものと考えているからです。ですか ら、飼い主さんは気付いていないが知っている診察に関する情報をみなさんがキャッチし、獣医師に伝えることはとても重要になってきます。他にも飼い主さん がベンツに乗って来院しているだとか、遠方から来ているのに自転車で来院している情報も治療の金額の幅を推測するために重要です。飼い主さんの金銭的な負 担を減らし、出せる金額内で治療をしていくことは治療をする上で大切です。

 

獣医師は看護師と飼主さんの情報も持ち合わせた上でレベルの高い診断をくだしていくのです。

 

これらの話を踏まえたうえで、レベルが高いと言われている病院は獣医師だけでなく看護師のレベルも高くなければいけないということが理解できたと思います。

 

み なさんにはレベルの高い看護師になってほしいものです。そのためにもまずは先手を打った挨拶のできる人になることから始めましょう。そして、診断するため にはどんな情報が必要か察知し、わんちゃんの状態や飼い主さんとの世間話などから、それらを伝えられる人になってください。