判断を下す時の4つのテスト

海外研修から帰ってきてどうですか? 見るもの、体験すること、きっとためになることばかりだったでしょう。研修中の感動や驚きも、時が経つと忘れ てしまいます。せっかく体験したことを忘れないために、写真にしたり日記に残したりなど工夫をして、自分のものとしてインプットする努力をしてください。  みなさんが海外研修に行っている間にも竜之介動物病院では、色んな事件や事故があり、それぞれについて判断を下さなければなりませんでした。どうすべき か判断に悩むことも、もちろんあります。判断を行う際に自分が基準としているのは、(ホワイトボードに書く)

 

1)真実かどうか?

2)みんなに公平か?

3)好意と友情が生まれるか?

4)みんなのためになるか?

 

ということです。これは私が参加しているロータリーの4つのテスト、four way testというものです。言ったり、行ったりすることを言行といいますが、言行を行う際にこの4項目に照らして判断を行うのです。

 

 先日、竜之介で安楽死の案件がありました。人を咬んだから、というのが理由でしたが、4つのテストに照らしてみてどうでしょう。そのワンちゃんは 本当に人を咬んだのか、真実は咬まれた人にしか分かりません。咬もうとしただけかもしれない。またワンちゃんはなぜ人を咬んだのでしょう? 咬むようなことを何かされたのかもしれない、咬まれた方一方の意見だけを聞くのは公平とは言えません。そして安楽死を行うことで好意や友情が育まれるで しょうか? みんなのためになるでしょうか? 逆に何回も人に咬みつくような子を、ボランティアの人たちが保健所から引き取って、さらに人を咬んで、また保健所に戻っ て、というような場合、かわいそうだからと引き取ることは4つのテストに照らしてみてどうですか?

 

 ウワサや風評といった自分で確認できないことを信じてしまうと、判断を誤ります。巷を騒がしているニュースも4つのテストに照らしてみて“おかし いな”と感じることがあります。みなさんはこれから、飼い主さんのリーダー、部下を持つリーダーにならないといけません。動物を保護した時どうするか、治 療をするかしないか、安楽死させるかどうか。判断を下すのはあくまで自分自身。4つのテストは世の出来事の多くに適応し、判断をする際の指標となってくれ るでしょう。自分の頭で考える癖をつけ、しっかり判断できるようになって欲しいと思います。