プラス思考が状況を変える

 “プラス思考”とは、よく使われる言葉ですね。みなさんも知っている言葉だと思います。対極の言葉は“マイナス思考”。このクラスで自分はプラス 思考だと思う人は手をあげてください。(数名あげる) それでは自分がマイナス思考だと思う人は?(数名あげる)マイナス思考の人は言葉の端々で分かるも のです。「ウソ?」はマイナス、「ホント?」はプラス思考の言葉です。誰もが本当はプラス思考のほうがいいというのは、分かっているのでしょうが、なかな か難しいようですね。

 

 動物病院では、交通事故などで重傷のペットが運ばれてくることがよくあります。飼い主さんは可愛いペットのことなのでパニックになり、マイナス思 考に陥っています。「死んだりしませんか?」「歩けなくなったりしないですよね?」。こんな状態の時には、獣医師や動物看護師が強いプラス思考でなければ なりません。飼い主さんの強力なマイナス思考を引っ張り上げ、プラス思考に転じるように導かなければならないからです。ワンちゃんやネコちゃんは、飼い主 さんとの関係が密であればあるだけ、飼い主さんの感情の影響を強く受けます。飼い主さんがマイナス思考の状態で、「死にませんか?」「歩けなくなりません か?」と言っておろおろすると、さらに悪化したりすることが実際に起こるのです。私たち獣医師、看護師が「やるだけのことはやります」と飼主さんを励まし 落ち着かせることが、ひいてはペットのためになる。思考というのは状況を大きく左右するものです。“引き寄せの法則”というのがあります。「まさかあの人 来ないよね」と言っていたら本当に来たり会ったりするようなことを、皆さんも経験したことがあるでしょう。

 

 朝起きた時に“授業が嫌だ、行きたくない”と思えばその日一日学校はつまらない、“みんなが待ってる、行かないと”と思えばその日は楽しい日にな ります。「悪いことの99パーセントは起きない」とよく言われますが、残り1パーセントにマイナス思考で集中すると逆に起きてしまうかもしれない。“ガン になるかも”と思い続ければ、ガンになるかもしれません。

 

 自分の感情をコントロールすることは、これから皆さんに要求されることです。私は毎朝5時55分に起きていますが、必ず目覚まし時計が鳴る5分前 位には目が覚めます。「起きよう」という気持ちが強ければ、起きられるものなんですよ。4時に時計をセットすれば、4時前に目が覚めます。寝ている間も自 分をコントロールしているというか、しっかり時間を感じているのだと思います。“ぜったいに起きなければ”と思えれば、目覚めるものです。そんなのウソ だ、起きられない、と思うのなら思考能力がまだまだ薄い。心からそうしたい、と思えば心だけでなく身体もそう動きます。自分の感情をコントロールさせプラ ス思考に転じる、というのは能力の一つです。いざという時、飼い主さんを引っ張るだけの能力を身につけて下さい。思考を鍛えることは朝起きる時、日常のあ らゆることから学べます。今日からすぐにでも意識して思考を鍛え、プラス思考を身につけてほしいと思います。